ごめいとう!

中央競馬の特別レース名に縁のある温泉地を巡ります。

プロローグ 温泉と競馬の交錯

日本にある温泉地の数を御存じだろうか。

環境省のデータ[1]によれば、2021年3月時点で47都道府県に2,934か所あるという。この数は、飽くまで宿泊施設のある温泉地の数である。所謂「野湯」や「廃湯」等を含めれば我が国にはもっと多くの温泉地があることになる。

当然ながら、僕にはこれら全ての温泉地をコンプリートする体力も、財力も、知力もない。さりとて、限られた人生の中で、数多ある温泉に漫然と入るのを良しとする性分でもない。

足りない知恵を振り絞って何か一定の縛りをかけられないか考えを巡らせていた或る日曜日の午後、ふとテレビに耳を澄ますとファンファーレが聞こえてきた。続けて小林雅巳アナの声。「福島競馬 10レース "高湯温泉特別"」。……これだ![2]

 

かくして、中央競馬の特別レース名に縁のある温泉地を巡ることにした。

 

[1] https://www.env.go.jp/nature/onsen/data/ もとより、国交省に端を発した統計不正問題に鑑みれば、この類のデータがどれほど信用できるかは1つの問題である。

[2] このレースは「アナゴサン」號が勝った( https://db.netkeiba.com/race/202103020210/ )。同日(2021年11月7日)は、福島1Rでキガサが2着、同3Rでジジが2着、同5R新馬戦でオレタチハツヨイが1着、同11Rフルーツラインカップでオヌシナニモノが1着、東京3Rでシタゴコロが3着、同4Rでセッカチケーンが1着、同7Rでオレデイイノカが1着、同8Rでモリノカンナチャンが1着、同9R百日草特別でオニャンコポンが1着と珍名馬祭であった。